NFTは、画像、音楽、映像といった2次元の作品が依然として主流です。しかし、ARやVRなどの没入型技術により、NFTは3次元に拡張されるようになっています。

イマーシブNFTは、メタバースにおいて全く新しい体験を生み出すことができるようになっています。この新しいクラスのNFTは、ユーザーが予期しない方法でコンテンツと対話し、関与することを可能にします。そのため、イマーシブNFTは、デジタルオーナーシップの概念を全く新しいレベルに引き上げることができます。物理的な現実とデジタルの現実をつなぐ架け橋として機能し、メタバースアプリケーションを構築する上で重要な役割を果たしています。

ARとVRは異なる技術

ARは、ユーザーの物理的な世界とデジタルコンテンツを組み合わせることで、インタラクティブな体験を生み出します。一方、VRは完全な仮想環境で動作します。ARは、スマートフォンやタブレット端末、あるいはAR対応Webサイトがあれば、簡単に利用することができます。しかし、VR技術で実現する仮想世界に移動するには、「Oculus Rift」のようなヘッドセットを装着する必要があります。

このように、基礎となる技術が異なるので、それを使って作られる没入型のNFTアプリケーションも異なります。

ARで実現するイマーシブNFT

読者の多くは、アーティストPascal Boyartが壁画にQRコードを組み込んだことを覚えているでしょう。このQRコードは、ビットコインで支払われる芸術愛好家からの寄付を受け取ることができます。QRは拡張現実のツールであり、それを使うことでアーティストは物理的な世界とデジタルの世界を結びつけることができました。

https://twitter.com/pascalboyart/status/1279869137397993478?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1279869137397993478%7Ctwgr%5E57a58aece6cdfd6cf280fa69e4731fe7881cd809%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fnftnewstoday.com%2F2022%2F11%2F21%2Fwhat-are-immersive-nfts%2F

アートNFTでAR技術を使うことは人気があります。また、Marc-o-Maticは、伝統的なアートと没入型テクノロジーを組み合わせ、観客に魅力的なストーリーを伝えています。その結果、人々は彼の作品を展示している物理的なアートギャラリーを訪れ、タブレットやスマートフォンで現実を拡張するインタラクティブなストーリーを楽しむことができます。

イマーシブNFTのもう一つの使用例は、バーチャル試着アプリケーションです。ファッションNFTとARを組み合わせ、消費者がより良い購入決定を行えるようにするものです。この目的のために、企業は自社製品のリアルな3Dモデルを作成し、バーチャル試着機能を追加しています。

例えば、キビセンスが発表したバーチャル試着NFTスニーカーは、ARを活用したウェアラブルNFTのバーチャル試着体験を消費者に提供します。同じ技術をジュエリーやその他のファッションアイテムなど、他の製品カテゴリーにも応用することが可能です。DressXは、物理的な衣服の過剰生産を削減するために、デジタルオンリーのファッションを提唱している企業です。AR技術によってウェアラブルの試着が容易になり、NFTとしても提供されています。

これらのアプリケーション以外にも、例えばInstagramやSnapchatなどのソーシャルメディアで使い慣れたフェイスフィルターやワールドレンズなど、あらゆるAR体験が没入感のあるNFTになり得ることができます。

VRで実現するイマーシブNFT

VR対応のNFTを作成し、そのNFTが構築されているブロックチェーンネットワークと互換性のある仮想世界で使用することができます。現実であれ非現実であれ、どんな資産もこの方法でメタバースに居場所を見つけることができます。物理世界の制限に縛られることはありません。

例えば、MMORPGで使用されるゲーム内NFTアイテムについて考えてみましょう。AIやダイナミックNFTといった新しい技術を取り入れることで、新たな没入感を得ることができます。このように、すべては想像力次第です。

仮想世界のための3D製品のモデリングは、広範囲に及ぶ領域です。建築やインテリアの例も多く見受けられます。この分野の第一人者はデザイナーのAndrés Reisingerです。彼はシュールな家具をNFTとして制作しています。彼の作品の多くはVRに対応しており、Decentralandのような仮想世界に配置することができます。

また、多くのデジタルスカルプターがVR技術を活用していることも紹介したいです。例えば、Joshua Skirtichは、彼のJenesisコレクションをVRで彫刻し、さらにARと融合させ、グッゲンハイムの訪問者に最高の視聴体験を提供しました。

[7/9] I decided to place Jenesis in the Guggenheim, the Metropolitan Museum of Art, and MoMA to fragment my perception of physical art as dominant and digital art as something valueless/secondary.

I believe memes, digital art, and content is the meaningful art of our time. pic.twitter.com/Bbi0YyXRsg

— Joshua Skirtich (@JoshuaSkirtich) March 3, 2022

作者：Nagi An

転載先：https://nftnewstoday.com/2022/11/21/what-are-immersive-nfts/